7月31日、埼玉の市民プールにおいて女児が排水溝に吸い込まれて亡くなった事件はその後、全国の学校プールの管理チェック体制に大きな一石を投じると同時に、私たち学校薬剤師の「学校環境衛生の基準」に基づく「水泳プールの管理」における検査、指導助言にも大きな警鐘を鳴らす出来事となりました。
プールの排水口については、
「学校環境衛生の基準」の「水泳プールの管理」では
【定期検査】 1−(2)付属施設・設備の管理状況・衛生状態等 で
判定基準(2)−ア
排水口及び循環水の取り入れ口には、堅固な格子鉄蓋や金網を設けてネジ・ボルト等で固定させる。(蓋の重量のみによる固定は不可)とともに、吸い込み防止金具等を設置すること。また、蓋等を固定する場合には、蓋等の欠損、変形、ボルト等の固定部品の欠落・変形等がないか確認すること。
【日常点検】 プール水管理(2)
入泳前には、必ず排水口及び循環水の取り入れ口の堅固な格子鉄蓋や金網が正常な位置にネジ・ボルト等で固定(蓋の重量のみによる固定は不可)されている等、安全であることを確認すること。また、柵の状態についても確認すること。
とされていますし、
「愛知県プール条例」の別表第1(第3条関係)ではさらに具体的に、
D 排水設備は、容易に排水できる能力を有し、排水口には遊泳者等の吸い込みを防止するため、ネジ・ボルト等で固定された堅固な網、格子等を二重に設けること。
F−ニ
プール水面下の循環水の取り入れ口には遊泳者等の吸い込みを防止するため、ネジ・ボルト等で固定された堅固な網、格子等が二重に設けられていること。
と書かれて二重の安全策を要求しています。
私たち学校薬剤師はこうした基準、条例等をよく理解するとともに、不備等があれば今回の事故のように児童生徒の安全が脅かされる場合もあると言うことを心に刻み、基準に沿った検査及びその指導助言等にあたっていきたいと考えます。
なお、指導助言についてはプール使用前に管理者(実質責任を負う者)が必ず排水口の蓋やそれを止めるネジ・ボルトに異常がないか、堅固に固定されているかを必ず確認し点検簿に記入をするよう指導する。
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